20230822 newborn荒井良二展(横須賀美術館)

  • 2023.08.28 Monday
  • 16:09

 

荒井良二さんのことは存じ上げなくて、友だちの勧めで来ました。

じつは午前中に病院の眼科で定期検査の診察を受け、病気が少しずつ進行して視野が狭くなり続けてることをあらためてドクターから告げられて落ち込んで泣きそうになっていたのですが、午後、この場所に来て、とてもとても癒されました。

 

京急堀之内で拾ってもらって、びゅーんと海沿いを走り、潮の香りをかぎながら、かもめと並走して、到着!

ほんとにめっちゃロケーション抜群の美術館です。

 

ランチを食べ損ねてしまったので、美術館のカフェに入ったのですが、ギリギリでランチタイム終了しており、無花果と胡桃のケーキをいただきました。テーブルの上のミニミニブーケは山葡萄の実が入っていて季節先取り。

目の前には海が見えて気持ちがよかった。

 

 

 

 

 

 

海の向こうは、千葉です。東京湾ですものね。


荒井良二さんは絵本作家でもあり、挿絵を描く人でもあり、オブジェやお人形も作るし、布や糸好きのわたしとしてはラグがあったのも嬉しかったな。

とっても多作でエネルギッシュですが、内気な子供のような繊細さもあり、その両極が彼の大きな魅力のひとつだと感じました。

イノセントという言葉が頭に浮かんで離れなかった。

こんな世界が頭の中につまっていたら、目が見えなくなってもたくさんのものが見えそう。

 

 

 

今回の展覧会のポスター。「いつもしらないどこかへたびするきぶんだった」というのは、創作するひとならたぶん共感できる。

 

壁に直接描かれたような表現は、子どものいたずら描きのようなイメージ。
額に入っている絵とはぜんぜん違う。

 

ボーリングのピンファミリーかな。が、お出迎え。

最初のお部屋は絵本のお部屋。ぜんぶ読みたかったけれど、時間が足りない。「まだまだ先があるよ」と友だちが呼びにきたほど、ここで足が止まりすぎた 笑

 

 

やばい、ぜんぶ読みたい。

 

まるで、こどものころに描いていたお姫様じゃないか。大人でもこういう絵を描ける人がいるんだ!
『純と愛』は観たことない。この傘がおちょこになった絵、大好き。

 

今回の展覧会のコンセプト。

 

「世界でいろんなことが日々おこっている毎日ですが、どんなことがおころうと、子どもたちにはこう言いたいんです。『人生には楽しいことがたくさんあるよ』『楽しいことばかりではないかもしれない世界だけど、それでも人生はけっこう良いもんだよ』と言ってあげたいんです。それが大人の役目のひとつかなっと思ってるんです」
お話も絵もぐっとくる。たくさんの人たちがまるい月の下でそれぞれの思いを抱いて生活している。


次は、過去作品など。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく作品がたくさんたくさん!

荒井良二さんの「作りたい」「作った」「見せたい」が溢れています。

 

 

ほんとに山に抱かれてるw 荒井良二さんは山形の方なので、こけしのモチーフもあり、この子はロックなこけしさん。

 

70年代の山に、ウケてしまった。

 

○○のような、から派生した「ヨーナ」。どこか東欧の国の女の子のようです。

 

おばあさんのヨーナもいた。たくさんのヨーナ。

 

クラフト紙に墨で描いたような絵もよかった。こういう絵が描けたらなー。ほんとに羨ましい。

 

なつかしい足踏みオルガンがロバさんになっていた。

 

 

このラグ、欲しい。パンチニードルで作れるかな、とか思い描いてしまった。

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

荒井良二さんには、学校に行かれない時期がちょっとあったのですね。


 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

ミュージアムショップで買い物をしていたら。。。今まで見た虹の中でいちばん素敵だったかも!

 

帰りは観音崎まわりで、びゅーん。

ずっとユーミンの『よそゆき顔で』と『コバルト・アワー』が頭の中で鳴っていました。

20230819 恋し、こがれたインドの染織(大倉集古館)

  • 2023.08.25 Friday
  • 16:20

虎の門にある、大倉集古館です。

最寄駅は六本木一丁目。

この界隈は静かで人が少なくて、みんながおっとりしていたころのいい時代の東京がそのまま残っている雰囲気。

表参道や新宿、渋谷などに慣れていると「東京!なんでこんなに人が多いの!街もみんな再開発で同じ顔してて!」ってゲンナリするけど、このあたりは同じ東京都は思えない。

駅から集古館までのあいだにはスウェーデン大使館とスペイン公使官邸があって、有名な霊南坂教会もあります。

そしてなんといっても存在感があるのはホテルオークラ。

ほかのホテルとは格がちがう。

その大倉さんが設立した、日本初の美術館が、この集古館だそうです。

 

館内はいっさい撮影禁止でした。

残念。

 

インドのプリント(当時は手描き!)や織物は、ヨーロッパを驚かせ、テキスタイルの革命を起こさせるパワーがありました。

今でこそ英国のペイズリー柄のストールやフランス更紗などが有名だけれど、元をたどれば、すべてインドから来ています。

ペイズリーというのもスコットランドの地名で、インドから持ち込まれたテキスタイルの模造品で繊維業が盛んになったのだそうです。

日本にインドの布が輸入されたのは、オランダ経由だそうです。

インドのテキスタイルを使って縫われた着物も展示されていました。

 

インドを旅行したフォロワーさんの投稿をtwitterで追っていたことがあるんですけど、インドの方たちは布づかいがとても上手で、男の人でも可愛い布をくるくるっと腰に巻いたりして、とてもおしゃれなんですね。

インド更紗でお洋服を作りたくなりました。

 

 

日本風でなく中華風なのは、大倉さんが「桃源郷」をイメージしたから、だとか。

 

 

 

 

帰りは六本木までてくてく。ゆっくり歩いて30分くらいだったかな。

 

途中、ハリオカフェ発見。時間があれば入ってみたかった。

 

スカイツリーよりも東京タワーが好きなお年頃。

 

坂好き。ぶらみぽりんしながら六本木まで。

 

 

 

 

 

ミュージアムショップで購入したものたち。ポストカードと、バンダナと、プリントの型です。
布にぺたぺたプリントしたい。

 

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20230816 マティス展 東京都美術館(上野)

  • 2023.08.21 Monday
  • 17:02

 

8月20日までなので、ほんとうにギリギリすべりこみ。

いつもこう。

前半の方が空いているのはわかっているのですけれどね。

 

才能豊かで奔放というイメージのあるマティスですが、芸術家には芸術家なりの苦悩があり、乗り越えなければならないと感じる壁と対峙していのだということがわかりました。

 

 

 

 

マティスは昔から好きで、富山まで切り絵を観に行ったり、ポンピドゥーでもまとまった作品を見たけれど、ちゃんとしたマティス展は初めてかも。

 

一部、撮影可能な展示もあったので、好きなものは撮ってきました。いくつかご紹介。

 

彼らしい色とりどりの作品も好きだけれど、デッサンや線描も好き。

 

「これならわたしでも描けるかも」って、みんな思わなかったかな。
わたしだけ?

 

 

 

 

女性の、この肉付き感が好き。マティスのこだわりポイントでもあったそう。


 

 

 

 

 

この絵は初めて見ました。これも「誰でも描けそうで描けない」ですね。
ミュージアムショップでは、この絵のTシャツを買いました。

 

 第一次、第二次の二つの世界大戦を体験しているマティスですが、作品を見るとフランスが統治した北アフリカからはだいぶインスパイアされたのがわかります。大国による植民地支配というものを彼がどう捉えていたか、残念ながらその作品から窺い知ることはできないけれど、大きな影響を受けていたことは確かです。

 

「赤いキュロットのオダリスク」という絵。

 

マティスはモデルにポーズの要求をしなかったそうです。
自然なフォルムを重要視したのですね。

 

セザンヌを思わせる静物画。
マティスの描く陶器やファブリックの模様がわたしはけっこう好きでそこに注目してウットリということもよくあります。

 

思い切った省略とデフォルメした構図ですけど、やはりこの肉感。バラ色の肌。

 

 

 

 

 

 

 

晩年は切り絵に挑みます。大きな作品から小さなものまで。

可愛くて大好き。

 

 

 

 

最後の展示は、撮影はできなかったけれど、マティスがすべてデザインした南仏ヴァンスにあるドミニコ礼拝堂に関する動画やなにやら。圧巻だった。色、光の使い方、ほんとに素晴らしい。

いつか現地に行ってみたいとずっと思っていて、今回はまるで中に入ったような気分になれるような、大きな動画で見られて嬉しかったです。


ミュージアムショップでは、欲しいものだらけで散財しました。

 

同じ東京都美術館内で展示のあった、荒木珠奈さんの展覧会もよかったです。幼少期に過ごされたというメキシコに大きく影響を受けたという、可愛くもちょっと怖くて、楽しい展示でした。

 

 

 

 

 

 

 

遅めのランチは、新宿に出てBERGで軽く。軽いけど美味しい。

 

パンに塗るペーストは、たぶんだけどクリームチーズとコンビーフを混ぜたものと、レバーペーストかな。
いつか真似してみよう。

 

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20230212 女子美卒展 at スパイラル

  • 2023.02.14 Tuesday
  • 10:54

 

 

 

 


 

そういえば去年の今ごろにも偶然、スパイラルで 女子美の卒展に遭遇したのでした。

みんな自由で繊細で情熱的で、まぶしいしうらやましい。

 

スパイラルの展示って、気軽に入れて、手前にカフェ、奥に壁に沿ったアールの階段があったりして、空間的にもいい感じですよね。カフェを囲むような構造、展示物の向こうに食事をしながら談笑する人の姿が見えるとか、シュールで好き。

 

 

生誕100年 ユージン・スミス写真展 / 東京都写真美術館

  • 2018.01.18 Thursday
  • 17:47

 

 

 

東京都写真美術館でやっているユージン・スミス展に行ってきました。

アメリカ、ヨーロッパ、太平洋戦争中の東南アジア、そして、日本で多くの写真を撮ったドキュメンタリー写真家です。

晩年は、水俣で多くの写真を撮り、水俣病の実態を世界に発信しています。

 

写真展の構成

 

1. 初期作品
2. 太平洋戦争
3. カントリー・ドクター
4. イギリス
5. スペインの村
6. 助産師モード
7. 化学の君臨
8. 季節農場労働
9. 慈悲の人
10. ピッツバーグ
11. ロフトの暮らし
12. 日立
13. 水俣

 

思ったよりも水俣の写真が少なかった気がしたけれど、妻であり『MINAMATA』の共著者であるアイリーンさんがこの写真展にきちんと携わっていたことを後で知りました。それならなにか考えがあってのことなのでしょう。

「入浴する智子と母」という有名な写真が展示されていなかったのも、智子さんのお母様が、かつて露出を断ったことに端を発っしていたそうです。被写体のそのような気持ちを汲むことも、真実を伝えることと同じく大切で尊重されるべきことだと思います。

ただ、ほとんど風化してしまったといっていい水俣の問題は、福島原発問題と酷似しています。いまいちど光をあて、再考する意義は小さくないと思う。わたしたちの国がまた同様の過ちを繰り返さないためにも。


 

 

 

20170327 ロバート・メイプルソープ展『MEMENTO MORI』

  • 2017.03.28 Tuesday
  • 15:40

3月中旬から銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開催されていたロバート・メイプルソープ展に行ってきました。

モノクロの花の写真から知ったメイプルソープですが、花だけではなくて、彼の被写体は人間にも及びます。

それも、男女問わずにヌードが多いのですが、少し特徴的だったり、挑発的なボンテージだったり、グロテスクだったり、衰え始めていたり、どこか引っかかる、どれも美しいんだけれどいわゆるスタンダードではない感じのヌードもしくは身体の部分の写真が続きます。

ヌードを見たあとに花の写真を見ると、花もまたエロティック。

花やくだものにナイフという組み合わせの写真もあり、これが何を象徴しているのか。

一緒に行った友だちが、「花や果実は女性器で、ナイフは男性器」と言っていてなるほどでした。

そして、どこまでが芸術で、どこからがポルノか、その境界線はどこか、という考察も。

展示会タイトルの『メメント・モリ』というのはラテン語で直訳すると「死のことを想え」という意味だそうで、「どうせみんな死ぬんだよ」そして「今を楽しく生きようね」という扱われ方もしているとのこと。

性と死がテーマだったんですね。っておしえてもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

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布と手作りの魅力

  • 2009.05.04 Monday
  • 23:10
ほんっとに更新が押せ押せで
ちょっと古い話題ですが…

4月に八王子の南大沢文化会館にて
たった2日間ですがキルト展をやってて
母と一緒に行ってきました。
自然光がたっぷり入る開放的な会場。
なんと、入場無料で芳名帳に記帳すると手ぬぐいがいただけます。
作品だけではなく、展示会そのものも手作りといった雰囲気が
いい感じ♪



今まで見たことのないような
美しいキルト!
アンティークの布を使ったものに
とても惹かれました。

まずはこれ。

六角形のモチーフは、アメリカでは「おばあさんのお庭」といって
長く愛されている伝統的な手法なんだそうです。
それを着物の絹布で表現した作品です。
ひとつひとつの布が可愛らしく暖かい。


それからこれ。

作品自体もすばらしいですが
やはり、アップで見ると布ひとつひとつが個性的。




アメリカのアンティークキルトもありました。
『大草原の小さな家』チック。


藍を基調にして日本の伝統的な紋を刺し子にした作品も
すてきでした。
なぜか古さを感じさせないモダンさを感じさせます。
江戸時代の日本のデザイン力ってすごいです。


満足〜
こういうものって、「作品」ではなくて
実用的な「道具」として使われると
より愛が深まるのだと思います。
あくまでも個人的見解で、
作った方にとっては余計なお世話だとは思いますが^^;


蛇足ですが、この会場の隣の図書館エントランスに
絵本『ちいさなおうち』をモチーフにした
刺繍が飾ってあります。
母の作品で常設です(笑)
名前は出てませんけど(本人は少し悔しがってる。わはは)。

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