20160419-21 福島へ。旅の記録。前編。

  • 2016.04.22 Friday
  • 13:35
福島の叔父が亡くなり、両親も兄も都合により行かれないため、わたしが一人で行くことになりました。
福島のなかでも棚倉という、茨城に近い小さな城下町で、そこが母の故郷です。
母の生家はずうっと昔からそこにある古い家で、母は6人兄弟姉妹のいちばん上の長女。
母は若いころ身体が弱くて、わたしは幼いときに「棚倉のおばあちゃんち」に預けられていた時期があり、そのあいだに祖父母や叔父叔母たちに可愛がってもらいました。
広い敷地内に土蔵があり井戸があり池がありお稲荷さんがあり竹薮があり、おウチの中には掘りごたつ(むかしは電気ではなくて火鉢が入っていました)のあるその家をわたしは大人になってからも好きだったのですが、わたしの思いをよそに、家の方は時代の流れには逆らえず、お店の前に駐車場を作るのに立派な門を取り壊してしまい、ずずっとお店を後ろにずらした分、土間や居間のスペースが狭くなり、昔の面影はほとんどなくなり、祖父母が亡くなってからは、祖母の形見分けの時と今回亡くなった叔父とゴルフをするのに訪れたくらいで、足が遠のいていました。
この家がなぜ好きなのかというと、たぶんその趣だけではなくて、そこが母が語る幼いころの思い出話の舞台であり、母の幸せの記憶がいっぱい詰まっているところだからなんだろうなと思ったりもします。
わたし自身が小さいころから引越しを繰り返す根なし草なので、母の故郷に自分のそれを求めてしまうのかもしれません。

そんなこんなで叔父の葬儀に出ることになったのですが、一人旅でもあり、出発の4月19日は移動だけに充てられるため、では新幹線ではなくて、むかしのように水郡線で行ってみよう!と、ひとりローカル列車の旅にしました。



旅のお供は、皆川明さんの『ミナを着て旅に出よう』。

水戸までは、特急ひたちと花ごよみという名前のお弁当。





そして水戸から水郡線。
水戸の「水」に郡山の「郡」で水郡線です。
各駅停車でのんびり。
可愛い三両編成で、牧歌的な風景が続きます。

大人になってからは母の実家に行くのには新白河まで新幹線で新白河からはバスというのがお約束のルートだったのですが、子どものころは東北新幹線はまだ開通しておらず、この水郡線か、父の運転する車のどちらかで行っていました。
水郡線に最後に乗ったのがいつだったのか思い出そうとしましたが、思い出せませんでした。
あーなつかしい。



水郡線の車窓からの眺めといえば、畑や田んぼ、ゆったりとした川の流れと緩やかな山の稜線。
それだけ。
それだけなんですが、その「それだけ」が、どれだけ尊い光景であることか。
「住んでいる人は見慣れちゃって、この景色がどれだけありがたくて、いちど失ってしまったら二度ともどらないものなのかわからないのよね」と、わたしが帰ったあとに写真を見ながらしみじみと言う母でした。
桜は散り始めていましたが、まだちらほらとその姿を見ることができました。
写真ではわかりにくいと思いますけど、山間に白く点々と見えるのが、わたしの見たかった山桜。
公園や川っぷちに咲いている都会の桜も好きですが、今回の旅では東京では見られない桜を見るのも楽しみのひとつでした。
叔父が見せてくれたのですね。





夕方に棚倉に到着。







棚倉城は、別名亀ケ城というのですが、その名前が会津の鶴ヶ城とお対になっているみたいで、それがわたしの中では小さな誇りだったりしたのですが、あやかってつけた愛称のようなものなのかも。
戊辰戦争のときに官軍に攻められて落城してしまい、再築はされずいまはお堀しか残っていないけれど、きれいに整備されて公園になっています。
桜には一週間ほど間に合いませんでした。

ゆったりと流れるお濠。





雷で引き裂かれてしまった御神木のケヤキ。



今ではわたしの従兄弟がその主となった母の実家で亡くなった叔父と対面し、従兄弟の家族たちと語らい、静かに夜は更けてゆくのでありました。
いや、2年生と5年生のちびっ子のおかげで湿っぽくなることもなく、賑やかな夜になりました。


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